2022
2022
年末2日間の現代音楽フェスティバル
Cabinet of Curiosities 2022
日程:2022.12.24 (Sat.) — 2022.12.25 (Sun.)
公演名:年末二日間の現代音楽フェスティバル — Cabinet of Curiosities 2022
会場:ドイツ文化会館 1階ホール(東京都港区赤坂7-5-56)
協力・助成:ゲーテ・インスティトゥート東京、文化庁「ARTS for the future!」
日程:2022.12.24 (Sat.) — 2022.12.25 (Sun.)
公演名:年末二日間の現代音楽フェスティバル — Cabinet of Curiosities 2022
会場:ドイツ文化会館 1階ホール(東京都港区赤坂7-5-56)
協力・助成:ゲーテ・インスティトゥート東京、文化庁「ARTS for the future!」
2022年12月24日・25日に開催される今年のキャビキュリフェスでは、グローバル化する世界各地から11作品をプログラミングしました。世界の均衡化に抗うように独自の語法で創作する作曲家たちをご紹介をさせて頂きたく、北欧からノルウェー、スウェーデン、デンマーク、英語圏からイギリス、アメリカ、そしてドイツと日本から作品を集めました。
2000年以降の現代音楽シーンを一言で表現するならば、そこには「軽さ」があるのではないでしょうか。現代音楽の線引きは文脈によって異なり議論の余地がありますが、所謂西洋音楽コンテクスト上にある「現代音楽」は、これまでドイツ、フランス、またイタリアの音楽的文脈で語られることが多く、そこから生まれる袋小路感から行き場をなくしている作曲家も少なからずいたように感じます。禁じ手の多さと、背景を知らずに禁じられることへの圧迫感や文脈への責任はこれまでの現代音楽に付随する「重さ」を引き起こす一つの所以でもありました。
この2日間でご紹介する作品たちは、これまで学習してきた西洋音楽史の文脈とどれも少し異なった趣きを持っています。過去と繋がりを持ちつつも、一種の強迫観念のような個人に由来のない責任感がなく、楽器と非楽器、演奏家と作曲家、音楽要素ごとのヒエラルキーも感じさせない、それぞれの土地で育まれているそれら独自の音楽には一種の親しみやすさと軽さ、そして耳に新しさを感じます。<新しい音楽×パフォーマンスとは?>
フェスティバル初日は、本公演のタイトルでもある「New Performative Music」という共通テーマのもと、パフォーマンスに焦点を置いた作品たちを上演します。音楽におけるパフォーマンスという言葉は、狭義で「演奏」と括られてきた時代を経て、いまや分野横断的な広がりを持ち、演奏行為という枠組みへの問いとして現代音楽シーンの重要なキーワードになっています。特に実験音楽(Experimental Music)で語られる「パフォーマンス」には、ラテン語のex-=「外へ」、per-=「試みる」という意味合いから"領域を越えていく" というニュアンスがあり、パフォーマンス要素を含む作品によって境界線への問いかけや実験が行われています。
古くは作曲家=演奏家であった時代を経て、この二つの役割は分業化し、それによりファーニホウなどの複雑系超絶技巧をいとも簡単に弾きこなす演奏家が存在する一方で、近年その流れに変化があり、作曲と演奏(と、それを越えたパフォーマンス)を兼任する音楽家が多く誕生しています。またアンサンブルやフェスティバルを作り、その中のメンバーとして仲間と密に共同作業をしながら創作する作曲家たちの存在によって、音楽を演奏する身体への概念が凄まじい速さで新しく変化しています。今夜お聞きいただく作品でも、クラリネット奏者としても活動するクリスティーヌ・ヒョーゲション、また自身もサウンド・アーティストとしてパフォーマンスを行うハンナ・ハートマン、そして新作を発表する宗像礼は複数のアンサンブルで指揮者としても活動しています。これらコンポーザー・パフォーマーが作る作品では、二つの異なる眼差し(作曲家/演奏家)によってリアリティのある創造性が実現されています。
現代社会の中で自然を人間尺度で計り、区別し、取り壊し、人工物を構築してきたように、音楽の世界の中でも本来地続きであるものを分割し、パーツ化することで時間を構築し、更に境界線で分けられた分類に従ってそれらを理解してきた歴史があります。パフォーマティブな音楽から投げかけられる境界線への問いかけは、音楽だけでなく社会そのものを新たな視点で見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
プログラム
Kristine Tjægersen(クリスティーヌ・チョーゲション): The Centre is Everywhere(2016)
Hanna Hartman(ハンナ・ハートマン): 境界線 / borderlines(2009)
渡辺 裕紀子(Yukiko Watanabe):Nonoji
Steven Kazuo Takasugi(スティーブン・カズオ・タカスギ): Strange Autumn
宗像 礼(Rei Munakat): Dro(要確認)
Alexander Schubert(アレクサンダー・シューベルト): HELLO(2014)
出演
太田 真紀(ソプラノ、その他)、白小路 紗季(ヴァイオリン)、沓名 大地、安藤 巴、茶木 修平(打楽器、オブジェ、その他)、山田 岳(ギター、その他)、佐原 洸(エレクトロニクス)
Øyvind Torvund(オイヴィン・トルヴン): Willibald Motor Landscape(2012)
Eric Wubbels(エリック・ウッベルス): Katachi(2010–12)
Christian Winther Christensen(クリスチアン・ヴィンター=クリステンセン): Almost in G(2016)
Laurence Crane(ローレンス・クレイン): John White in Berlin(2003)
Martin Schüttler(マルティン・シュットラー): Selbstversuch, die Anderen(2013)
出演
太田真紀(ソプラノ)、齋藤志野(フルート)、キュサン・ジョン(クラリネット)、沓名大地(打楽器)、大瀧拓哉(ピアノ、キーボード)、山田岳(ギター、エレキギター)、 松岡麻衣子(ヴァイオリン)、下島万乃(チェロ)、佐原洸(エレクトロニクス)
指揮:馬場 武蔵